ナビゲーションを飛ばして本文にジャンプ

Hamaguchi Lab.
濵口研究室

― 物質と生命をつなぐ分光物理化学 ―

» ENGLISH


ここから本文

フーリエ変換赤外分光計

FT-IR温度変化測定システム

  • 市販のフーリエ変換分光器を改造し、精密な温度変化赤外スペクトルの測定を可能にした。
  • 干渉計および試料室を真空にすることにより、H2O/CO2の影響を受けずに測定が可能である。
Fig. 1Fig. 2

図1: 装置外観(左)、図2: 自作温度変化赤外測定システム (右)

  • 恒温水 (0-100°C) の循環により温度調整
  • 試料を装置外から導入することにより試料を1気圧に保ち、かつ試料室を開放せずに試料を交換することができる。

この装置で研究していること

溶液中において、分子振動の振動数は一定ではなく、周囲の溶媒分子からの揺動を受けて常に変動している。この振動数の揺動は振動位相緩和を起こし、結果として振動バンドの広がりをもたらす。したがって、赤外・ラマン分光により得られる振動スペクトルは、そのバンド形を通じて、分子間相互作用を色濃く反映したものとなっている。振動バンド形を精密に解析することにより、注目しているプローブ分子の周囲の局所的、動的環境に関する情報を得ることができる。

Fig. 3

図3: CO2逆対称伸縮モードの温度変化赤外スペクトル (bmim[PF6]中); 温度の上昇に伴いバンド形がローレンツ型に近づくことがわかった。これは高温において分子の熱運動が激しくなり、周囲から受ける揺動の時間スケールが速くなることにより、スペクトルの先鋭化が起こっていることを示している。


Copyright Hamaguchi Lab. All rights reserved.